民主主義は地方の自由な自治から

最近のニュースで地方の首長の発言に注目している。

マイナンバー制度とは、人を12桁の個体識別番号で管理し、服従する人間を作る全体主義だ。牛は10桁。人間の牛化だ。」

     名古屋市 河村たかし市長

 

災害などの非常事態なら国は個別法に規定がなくても自治体に対策実施を指示できる、地方自治法の改正案について、世田谷区は新型コロナウイルスの流行初期、国が無症状の国民へのPCR検査に慎重だったのに対し、積極的な検査体制を確保した。そのことについて、

自治体が一歩先んじ、国も追認し、知恵を出し合ったのがコロナ対策だった。混乱時に国が常に正しい判断をするとは限らない。統治型の上位下達の国家、統治機構に変える考え方は危機的だ。」

     世田谷区 保坂展人区長

 

静岡県はリニア工事によって南アルプス上流でトンネルの建設時に発生する湧水により、60万人分の生活用水が減る問題について、全量を戻すよう水道局やJRに注文を付けてきた。希少動物の保全についても同様に言及、「南アルプスの自然を守れるか、水資源を確保できるかずっとやってきた。水の問題は取り返しがつかない。」

     静岡県 川勝平太知事

川勝知事は差別発言で辞職したが、ことリニアに関しては岸田首相と自民党が「国家的プロジェクト」と半ば強引に進める中、建設地の住民の利害を真剣に代弁し、地方自治の独立性を主張した、真っ当な采配であったと思う。

沖縄の辺野古基地移設問題についても、玉城デニー知事が再三にわたって、沖縄県民の意思を無視する中央のやり方に、県民の意思を尊重するよう、正統な主張を繰り返しているが、地方自治体の首長が県民にとって不利益になる国策に、断固反対の意見を発しなくなれば、国全体が均一化し、地方から異論が言えない国になる。それはとりもなおさず、民主主義が消滅するという事だ。

 

地方自治体の首長は上記三氏のように、今後も遠慮なく国の愚策に意見をするべきだ。国は中央が作るものではなく、地方自治の集まりが国を形成しているのだという見方を国民が共有すべきだ。