芸術家居宅探訪「徳富盧花」
画家や文学者などの住居後を訪ねるのが大好きだ。作家本人の作品を見るのも好きだが、彼らがどんな空間で作品を創っていたのかを見るのは誠に興味深い。使っていた道具類、絵の具、アトリエ。生活の場や、時には庭なども、往年の作家がただずんでいるように感じられて、時空を超えた想像の旅に誘われてしまうのだ。芸術家以外にも、歴史人物の邸宅跡なども、本来同時代を生きていたらお招きにあずかることはないから、豪華なインテリアや歴史的装飾を見せてもらえると、とても得をした気分に浸れる。住まいや建築に興味があるからでもある。作品、作品を生み出した芸術家の息吹、建築そのもの、という様々な興味を一度に満足させてくれるのが「芸術家居宅探訪」なのだ。どんな有名人であっても、何人も、まずは住まいがあって、そこを拠点としてしっかりと生きていたのだ、という原点を感じられる。さあ、自分も地に足をつけて、これから我が家に帰り、日々の暮らしを創造的に暮らそう、と励まされる。
さて、これままで訪れてきた住居を、記録していなくて残念なのだが、記憶を頼りに上げてみよう。
⭐︎徳富蘆花記念文学館(世田谷区)
⭐︎岡本太郎記念館
⭐︎佐伯祐三アトリエ記念館
⭐︎中村彝アトリエ記念館
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/tsune/40357/
⭐︎山本有三記念館
⭐︎吉川英治記念館
⭐︎太田黒元雄邸
以上は今まで訪ねた箇所の一部だ。
作家や芸術家の自邸跡を訪ねると、絵を描く技法の参考になるなどとは恐れ多いが、マンネリ化した我が筆、我が意欲に火をつけてもらう事ができる。また、代表作を読んだりすると滅法楽しい。今は蘆花恒春園に行った影響で代表作の「不如帰」を読み終わり、候文の難しさに初めて触れながらも、同時代の人が楽しみにしていた新聞小説だっただけあり、ページをめくるのももどかしいくらい夢中になった。明治文学を読むのはおそらく初めてだ。続けて、蘆花の暮らしぶりをつづった「みみずのたわごと」に進んでいる。蘆花の自邸であった恒春園を観てきたばかりなので、文中の描写をリアルに思い描いて読み進めている。
今後もライフワークとして作家、芸術家居宅探訪を楽しみたい。